福岡からこんにちは | ESSAY

世界はいろいろ大変ですが、さまざまな街の日常を、ゆっくりと伝えていきます。福岡担当は漫画家の佐々木充彦さん。佐々木さんの日常をこっそり覗いてみましょう。

コロナ気分

少しずつコロナが落ち着いてきたな、と思ったら福岡は感染者数が過去最高を更新してしまった。

これからさらにひどくなるのではという声もあります。

ちょっとせきこんだり、肺に違和感があったりすると、「ひょっとしてコロナ⁉︎」と不安になってしまう、それを私はコロナ気分と呼んでいます。当分、コロナ気分は続きそうです。

少しだけ自己紹介をします。佐々木充彦といいます。漫画やイラストを描きます。

普段は、会社でデザイナーをしています。フルリモートです。以前描いたweb漫画「インターウォール」をrn press（当時PIE International）の野口さんが気に入ってくださって、そのまま単行本になりました。あのときは嬉しかったな。野口さん、いつもありがとうございます。

昨年末、大濠公園の近くに引っ越しました。

大濠公園は、福岡市民の憩いの場です。コロナ禍のせいもあって、人がたくさんいます。

みなさんきちんと距離を置いて、思い思いの運動をされています。子ども連れの親御さんにも人気です。

ぐるっと一周歩いて、約20分。園内にはおしゃれなカフェがあったり、スターバックスがあったり、美術館があったりします（いま、高畑勲展をやっています）。公園のまわりには、クラフトビールのおいしいお店や、美味しい飲食店がたくさんあります。

夜は夜で、遠くに光るビル群が美しいです。気分転換したい時、少し汗をかきたい時、緑を感じたい時はここにきます。以前住んでいたアパートは高速道路の隣だったのでうるさくてしょうがなかったので、いまはとても快適です。

信じられないかもしれませんが、福岡の川にはエイが多いです。海が近いからでしょうか？

最初見たときはとても驚いたのですが、もう見慣れてしまいました。

今住んでいるマンションは川沿いに建っていて、窓から川が間近に見えるのですが、毎日のように大きなエイを見かけます。

一度親子エイを見た時はその光景の美しさに感動しました。あの親子はいまどこに…。

仕事中、音楽を流したりラジオ（爆笑問題、青春アドベンチャーなど）を流したり、映画を流したり（スポットライト）ドキュメンタリー（ジブリの制作舞台裏的なやつ）を流したり…。

と、いろんなものを試したのですが、最終的にたどりついたのがメトロノームです。特にairpodsでyoutubeのメトロノームを聞いていると集中できます。

BPMは115。

私は気づくと、過去のことを思い出して脳から抜け出せなくなることがあります。メトロノームは、体の中に流れる「いま」という時間を、音で知らせてくれる有り難い道具です。

セブンという映画でモーガン・フリーマンがメトロノームをぶち壊すシーンがあるのですが（むかついて）もったいないなと、いまとなってはそう思います。

今年中には（きっと）描き終わる予定なので、ぜひ読んで欲しいです。日記というよりは、散文になってしまいました。福岡から、みなさんの健康をお祈りします。

佐々木充彦（ささきみつひこ）
1983年1月26日生まれ。福岡県北九州市出身。代表作『インターウォール』（ピエブックス）が文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品を受賞。イラストや装丁、MV用アニメなども手掛けている。
interwall – 佐々木充彦のサイト